今回は、自作パソコン用アルミケース・abee AS Enclosure Z3についてのレビュー記事です。
先代の海外製ケースを購入してからまだ1年半ですが、やはりビビリ音が気になるので、またabeeの国産高品位アルミケースに戻ってきました。
先々代の静音アルミケース・abee AS Enclosure M5はとても気に入っていて、5年以上使用したのですが、さすがに5年経過するとUSB3.0や大型のビデオカード対応など時代の流れに追い付けなくなったため、先代の海外製ケース購入に至ったわけです。
本当はまたabeeのケースが欲しかったのですが、その頃(1年半ほど前)abeeでは3Dプリンターの製造販売が始まり大忙しだったようで、ほとんどのアルミケースが「在庫無し」状態となっていました。
仕方なく、うちのパソコンラックに収まる製品を探して海外製ケースを購入しました。
付属のファンを全部取っ払って、ainexの静音ファンに交換してみたり工夫したのですが、ケース自体からビビり音が出るので改善されません。
嫌気が差して、新しいケースを物色していたところ、abeeからAS Enclosure Z3が復刻版Limited Editionとして限定生産20台再販売されていたので、急いで注文を入れました。
表面はアルミヘアライン仕上げの為、キズがつかないよう不織布の袋に入っています。
詳しい仕様はメーカーのサイトでご確認ください。
カバーのアルミは1.2mmと肉厚ですが、フロントパネルに至っては3.0mmという贅沢なものを使用しています。
良質の材料もさることながら、驚くのはabeeという会社の加工技術の高さです。
まず材料の切り抜きですが、切り抜いたライン上に点々の痕があるので1度で抜いているのではなく、タレットパンチプレスという機械で少しずつ少しずつ切り欠いています。
そしてフロントカバーなどの角度曲げは、ベンディングマシンという機械で圧力をかけて曲げていきます。
各パーツ間が隙間無く、ピッチリ合わさるように加工するには高度な技術が必要です。
私も以前、これらの機械を使い建築金物などを作る仕事をしていたため、その難しさが解ります。
海外製ケースだと、この辺はプラスチックの一体成型で作っている物も多いのですが、敢えて難しい加工で仕上げているのは国産ならではですね。
ファンの数やベイの数など、仕様はメーカーサイトをご覧いただくとして、寸法に関して少し書いておきます。
外形寸法はメーカー発表値459×219×484mm(高さ×幅×奥行き)ですが、誤差は0.5mm以内です。
これも国産のなせる技ですね。海外製ケースだと1cm 、2cm違うのは当たり前ですから。
因みにアルミインシュレーターを付けた高さは475 mmです!
本体にはゴム製インシュレーターが付属しているのですが、今回アルミのインシュレーターも購入しました。 大径でドッシリ支えてくれますし、机に接する面にも本体に接する面にも制振性のあるゴムを使用していて、ダブルで振動を吸収してくれます。
ケーブル類はごく普通です。
今時なので、HD AudioのみでAC97はありません。
また、ポストのブザーも無いので、鳴らしたい場合は、別途このようなブザーを買う必要があります。
元々このケースの初版では、フロントパネルのUSB3.0ポートを使う為にはI/Oパネルにプラグを挿すという複雑な仕様でしたが、復刻版Limited Editionではちゃんと内部接続になっています。
スイッチも高級ケースに相応しい、しっかりしたクリック感です。
先々代のAS Enclosure M5は5年使用してもスイッチのヘタリはありませんでした。
ここまで良いことばかり書いてきましたが、何点か困った点も見つかりました。
まず1つは底面に電源用のエアーインテークホールが無いことです。 その為、ファンが上向きになるよう取り付けると、ケーブルが左側になってしまうので、せっかく裏配線用のケーブルホールが有ってもCPU補助電源が全く届きません。
よって、ケース内はこのような状況です。
今のCPU補助電源の長さが550mmなので、650mm以上の物に買い換える必要がありそうです。
そしてもう1つは、ATX・micro ATX・miniITXに対応させる為か、CPUバックプレート裏のメンテナンスホールがバックプレートの位置と合いません。 穴は開いていますが、これでは役立たずです。
わざわざこの容量のミドルタワーケースを買って、micro ATXやminiITXで組む人もいないかと思いますが。
まあ私の場合、マザーボード含めてシステム一式交換する時しかCPUクーラーも替えないので気になりませんが。
とにかく静かで、高級感溢れるこのケース、しばらくは使えそうです。
使用環境
OS:Windows 10 Pro 64bit
PCケース:abee AS Enclosure Z3
マザーボード:ASUS Z97-PRO
CPU:intel Core i7-4790K
CPUクーラー:Scythe阿修羅
メモリ:Kingston HX324C11SRK2/16×2 合計32GB
グラフィックスボード:MSI R7 370 2GD5T OC
システム用SSD:Crucial CT512MX100SSD1
ビデオ編集用SSD:intel SSDSA2MH080G2C1
データ用HDD:WesternDigital WD30EZRX
バックアップ用HDD:WesternDigital WD20EARS
バックアップ用HDD:HITACHI Deakstar 0S03357
光学ドライブ:PIONEER BDR-209XJBK2
機械好きのかたの為に、タレットパンチプレスとベンディングマシンの動画も載せておきます。
タレットパンチプレス
因みに新品時の価格は、東京城東地区で建売り一戸建てが1軒買えるくらい?
ベンディングマシン
こちらの新品時の価格は、郊外の私鉄沿線・駅近で3LDKのマンションが1室買えるくらい?
コメントを残す